「質問箱で『カードショップが次々に閉鎖しまくってますがどう思いますか』という旨の回答を良く聞くようになりました。
このネタに関しては若干黒い点もあるので夜中の迷子録という事でこちらのコーナーに書く事にします。
カードショップの閉鎖に対して言える事は事実で遊戯王の売り上げに依存していた業界の怠慢。そして、『個人での勝負に勝たなければ今後は生き残れない』という部分が強いんだとも思っています」
「あ、別にお店を攻めているワケではありません。
ただし、この遊戯王の近年のバブルを見ると分かるように『カードゲームのインフレからこのまま
遊戯王も売り上げが伸びる!
『やった!店舗数を増やそう!』
という意識があるお店に対して痛手が来ているというのが個人的な印象でした。大体ウチのブログで売り上げとかを調べてるのかって、本元のショップの打撃がどれだけ大きいのかを知りたいからなんですよ。
正直な話遊戯王の売り上げが落ちている事を楽観視してない理由はそこで、個人がオークション等で『ボックスでの利潤が少なくシングルでは個人のコストパフォーマンスに負ける』時代ですし、中古ショップとしてかなり苦しい時代に来ているのだなぁという気持ちもあります」
「このサイトで何故個人での売り買いに対しての追求を行っていないのかはそこにあるんですわよね」
「そうなんですよね。
個人が儲かる時代に来ているという事はその分ショップ等の『場所やコミュニケーションの場の消失の可能性』を増やすとも私は考えていて、その結果が数々のショップの閉鎖なのではないか?
とも思っていました。売り上げ等を追う理由として危機感を持ってることが根底にもあります。
かと言いつつも私にはこれをオススメ!とは言いますが、買え!とは言えない立場の人でもあるので傍観か考察しかできないんですよ」
「まぁカードショップの閉店に関しては遊戯王が全面的にっていうのはありますわよね」
「そりゃあそうなんですよね。遊戯王も完全に復帰勢向けの作品を露骨に増やすっていう予言と共に今回の閉鎖に思うことを綴っていきます」
根本的に遊戯王の売り上げが閉鎖ラッシュに続いているのか。
「根本的に遊戯王の売り上げの影響がショップの閉鎖に繋がってるのかと言われれば私はYESと答えると思います。
勿論カードゲームで遊戯王の依存が第一だとは思ってますけど、この問題はちょっと本気で考えたい所がありました。
まず基本的な事ですが、売り上げが半分になったら利益が半分になったという人が多いですが実際はそうではありません。
売り上げが下がればその分お店の家賃や維持費がかかっていますのでさらに経営が厳しくなります。遊戯王の売り上げをいつも通り換算していうる店ではこれが打撃以上の何者でも無いのはいうまでもないでしょう。変動費というものが常日頃襲ってきますし、それに売り上げが下がっていくと元々の仕入れ値とかで利益を取らないといけないのにそれも出来なくなってしまっているんですよね」
「それに対しては否定は出来ませんわね。
ユーザーの減少が起きればまず、ユーザーは人の多いショップに行きますの。人が多くないとカードが出来る割合も減りますし遊ぶ人数が減るっていう難しい点も抱えてますもの」
「そうそう。これに合わせてカードショップでも大手に客は集中してしまいますし、売り上げやタイアップが難しいお店では客層は低迷するので売り上げが下がります。
そりゃあそうなんですよ。
多分公式からも貰う金額とか提示額も変わっているでしょうし差があるなら更にキツクなるのは仕方がありません。
で2017年には信者しか残らない!という発言が何処かで炎上していましたが(誰とは言わない)、実際にハリファイバー等のリンクパック等で売り上げを戻しつつある一方で全体的にメディクリの情報を信じなくても7割程度しか売り上げが無いと考えれば死活問題です。
年末商戦で売りきりそのまま利益を出して終わるっていうのは手段の1つですから、ドンドンショップ側としては辛くなるのは当たり前なんですよね」
「といいつつ、じゃあ大手の製作者はどうなのよ?って話ですが、遊戯王の販売元である会社に関してはほかの商品でリスクヘッジを取ってしまえばダメージは少なくなります。
例としてはデュエルリンクスがその例です。
2017年のデュエルリンクスの売り上げはリリースが昨年11月17日の2ヶ月に満たない期間で23億の売り上げを出しています。定期的にいけば実質売り上げは個人的な推測で150億とは思っていて、『遊戯王OCG』の売り上げの補填をしているんですよね」
中古トレカ(遊戯王)遊戯王OCG デュエルモンスターズ レジェンドデッキ 闇遊戯VS海馬瀬人 「遊戯王デュエルリンクス レジェンドデッキガイド 闇遊戯VS海馬瀬人」 同梱品
「更に遊戯王の製作戦略として『「遊戯王デュエルリンクス レジェンドデッキガイド 闇遊戯VS海馬瀬人」』の商品などで復帰層に呼びかける動きもしていますの。
実際OCGではあまり強く無くてもデュエルリンクスでは強かった。というイメージ等に繋げたり、初期勢の人間を戻す動きが強いんですわよね。最悪2017年の売り上げが悪くなる事を見越してなのか、2018年の3月通期の売り上げを少し低めに見積もっている感じもするんですわよね」
「これ上手いなぁと思って、もし遊戯王のカードゲームが売り上げを落としたとしても2月のデュエルリンクスの売り上げの推移をそのまま1年間の実益に持っていって累計での売り上げをチャラにしているって思えるんですよね。
デジタルエンタテインメント事業としての案件であれば『双方ともの売り上げの合計で数えれば良いだけ』ですから
ってなんかチャイム鳴ってたけどry」
コナミHD、17年3月期は売上高8%減ながら営業益47%増に 4Qにグローバル配信開始の『遊戯王 デュエルリンクス』が好調…カードゲームも人気波及 | Social Game Info
「とまぁ、製作側は問題ないんですけど実際それをシングルで売っている会社はそうは簡単にいかないんです。
カードショップで遊戯王の割合を占める数が大きいショップは
この打撃が一気に押し寄せてきます。
この場合だと売り上げがあっても店の家賃や大量に売れ残った商品の数々があればそれに直結してショップの経営が難しくなるんですよね」
「パックの仕入れ値とか収益に関しても如実に引っかかる事はあると思いますの。
とくに遊戯王が売れる理由は人気もありますが、強さが大きく響いている9期のせいでリンク召喚もかなり出遅れてるんですわよね。
新規カードゲームでは『簡単かつ強力なデッキコンセプト』を作るのがポイントなのにファイアウォール・ドラゴンを始め強かったのは最初ループやソリティアなど中級者向けのものが多かったですの」
「個人的にはですが、夢があった分初心者には難しかったんだなぁと感じてます。
定期的に2017年は強力な再録をメインとしたものが多かったのですが付録の雑誌などに注力していたからショップとしても『初動を見極めないと売れない』という問題がのしかかってきます。
特に昨今のショップの価格の差額が激しいのがそこです。エンゲージの初動が各種カードシングル価格も結構差が出ていますよね。
- ジャンル: おもちゃ・ホビー・ゲーム > 趣味・コレクション > カード・トレーディングカード > トレーディングカードゲーム
- ショップ: トレカショップ竜のしっぽ
- 価格: 1,380円
その頃に発売した遊戯王の商品展開を中心とした場合では売れ残しが多かったです。コレクターズパックですからかなり差が激しかったのはいうまでもなかったり。アンチ的発想ではないんですが、特化で遊戯王のパックが残っているのは正直やばいかなとおもいました。
数々のサイトで遊戯王のシングルが暴落など、実際はそこまで変わってない事実もありますがリスクヘッジを考えていないショップにとっては痛かったなぁというお話ですね」
■ スマホ業界とカードゲーム業界の融合は『別展開での環境作成』がベター。
「正直このままカードゲーム業界が衰退するのであればそれは各種会社が最近の技術等を取り入れる事に失敗したとしか言えませんし、遊戯王のようにオンラインかスマホ業界へ以降するでしょう。
ただ一つ言いたいのは紙媒体の遊戯王が終わればデュエルリンクスも終わるので絶対にそれはありませんし、逆にスマホ等を取り入れたゲームは『コンセプトが非常に複雑になる傾向』が多く失敗する事が多いです。
例を挙げるとすると銀鍵のアルカディアトライブとかが該当しますね。
新品サプライ銀鍵のアルカディアトライブ スリーブコレクション スター・ファイア・ソサエティ[GAL-01]
遊戯王のリンクにも言えますが初心者には様々な動きを行う事や手間がかかる系のゲームは非常に受けが悪い傾向にあります。
例えばパズドラTCGなども該当するのかなぁと思っていて、スマホとかの合わせ技は何かしらの工夫がいるなぁと思っていました」
「こういった意味では遊戯王OCG含めてアナログな人気が非常に強い分まだまだ売り上げ等が一気に下がるとは思っていません。
スマホ業界では逆に『既存のカードリストで別環境を作り上げる』のが基本的な流れになるでしょう。上手くいけば環境をすり合わせつつ、新規カードを各種刷る事も可能ですから」
「バランスも含めてですが、スマホの融合は実質辛いので各種TCG業界はしないが正解ですわね。
その代わりストーリーを重視したヴァンガードの『惑星大戦』。引き換えをメインにしているデュエルマスターズの『エントリーゲート オブ ドラゴンサーガ』など既存の大手会社は既にスマホゲーに着手していますの。
その中で遊戯王が売り上げを持って続いているのはその地盤と、人気があるからっていうのは言うまでも無いですわよね」
「う、うーん。実は結構そうじゃないんだけどなぁ。
実際公式のカードシステムとして売り出しているだけですし、デュエマ等と違ってカードプールを狭くして初心者でも受け入れやすく出来るシステムだったからとか色々とあるんですけどね」
そもそも個人商売が成り立つ今、リユース業界自体が危ない。
「じゃあそもそも遊戯王は・・・って話をしていますが、ここで個人で売れる場所が増えたってのが重なってきます。正直カードショップでの対応や態度がという話もショップで舞い込んで来ていますが正直そんな余裕は無い位焦ったほうが良いと思うんですよ。
フリマサイトや、オークションサイトなど東洋経済等での情報ではリユース業界自体が不況に立たされているという部分があって、こういった問題は少し客観的に遠めから見る必要があるなとも感じています。
正直遊戯王OCGの低迷だけがショップ閉鎖に追い込まれている理由ではなさそうと感じたのはこういった背景もあるのを考えておかなければなりません」
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「そもそも、こういった背景にオークションサイトが本当に関わっているのか?という部分に関しては若干肯定したい意見がありますの。
例えば今まで中古業界というのは非常に強い業界だったんですわよね。
古着とかもそうですけど、カードゲームのシングルは特に抜け穴で『非公式で揃わないものを揃える絶好の機会』を提供した商売だったんですの。
だからこそショップがある事に価値があるし古着や中古品の中でも個性が強いものだったんですの。
パソコンとかは新品で買うという選択肢はあれど、カードのシングルは箱で買うしか無理だったという事実も含めてですけど」
「その点は確かにリユース業界?の中では驚異的でしたよね。
つまり中古商品という立場の強みが実は今オークションやフリマサイトで「どっちが利益が出るのか」という疑問に経ってしまう機会が多くなったんです。
私の場合は大抵そういうのを色々とヤフオク黎明期から調べていた人でしたけど、あの当時よりかは確実に業界は成長していってます。個人事業でフリマとかだけで生きる人がいるって事はそれだけ可能性があったって事なんですよ」
「そりゃあ、中古として売るならどっちが良いのかというお話で、カードを売るにしてもこういった個人で考える選択範囲が高く売れるのは事実ですよ。
買取価格が安いのは当たり前。
そこから従業費や経費なんかも勘定に入れないと駄目ですし、その上の商売として成り立ってるのもありますがネットで売れば何千円という利益を出すことも可能です。正直買取に出す前に価格を見ろって何度も言った思い出もありました。
こういった背景とか1円買取とか見ていると利潤を簡単に叩きだせる世界っていうのは言うまでも無いんですよね」
「じゃあ逆に買い取りは完全に損だからやるな!というワケではありません。
元々リユース業界の強みは『即換金』
という部分であってまだまだ需要はあります。カードを個人で売ろうにも手間がかかりますし、そうそう事業としてやるにはコストもいるでしょう。そういった面を考えてない人は少なくないと思います。
カードゲームも一緒で今の価格を維持して・・・って時に売り切りたい場合なんかはかなり有用な手段ですよね。転売とかは好きじゃないですけど、出来る商売でもありますからなんとも言えません」
「ただ私が見る限りそこを主軸にして売るお店はまだ見ていないんですわよね。お早めにみたいな広告は見るんですが、即換金的な発想のものはありませんでしたの」
「まぁ目的が違うでしょうし。
実際それをするにはカードゲームのシングルだけでは難しいですし、1つに依存しきっているのならなおさらです。逆にデュエマと遊戯王が均衡しているのであれば今カードショップを心機一転初める位で見てみると、その大きさやウエイトが分かるんでしょうかね」
「それに今個人で行うにも2005年辺りではネットは普及してましたが、あの当時よりもSNSが増えて『詐欺が起きれば拡散される』という恐怖感も増えました。つまり、消費者が監視者であり、ネットパトロールな意味も今は持ってるんですよね。
特に最近ではカードショップ界隈でも問題が起きれば文句をつぶやく等の話題も出てきましたし、ドンドン優しくしてやれよと言いつつ厳しくなる現状になるでしょう。これはもう業界の敷居が上がってしまった事の弊害ですから・・・仕方が無くて」
大手ショップですらマイナスな意見が多く聞かれる中、果たして未来はあるのか。
「そんな中で個人に勝つには何が必要か。それは『速度』と『信用』。そして『対応』だと思っています。
これはもはやこれでしか勝負出来ないんです。個人が対応で勝負されたら最早勝ち目もありません。特に後はそこまで行けば転売している人であるのは間違いないですし。
そもそもTCG業界って遊戯王の売り上げに依存している部分があるなぁと昔から思っていたのは確かで、9期からのインフレに次ぐインフレを何処で止めるのかというのは正直気になっていました。
というのもカードゲームのインフレって最終的に止める方法と言えば『新しいカードゲームにする』か『スタン環境にするか』のどちらかしかない為です。
遊戯王はデュエマやMTGの様に『限定構築大会をしない』風潮も多くあって、テーマ構築を止めないのならそれ以外手法がありませんでした。20周年という垣根も超えて行いたかった気持ちも分かります。
しかしカードOCGに関しては既に危機的状況なのは言うまでもありません。リンクスがあるから合計して勝ってると思っていたら、今後はカードショップは衰退するか他のカードゲームを主体として動かれるかのどちらかになるでしょうね」
「復帰勢の獲得となればかなり大変だと思いますが、カードショップもドンドン増えていって欲しいですわね」