「まぁ世の中っていうか今カードゲーム業界は一斉にスタンダードを取り入れようと必死で、ユーザーはその事実を最近は受け入れている感じなんですよね。
ですが、遊戯王にスタンダードって話題はあまりありません。というワケで今回はなぜ遊戯王にスタンダードが入った場合の課題とその商品展開についての問題を書いていこうと思います」
「まぁ正直、遊戯王ってスタンダードになってもデメリットが多いんですよね。リンク召喚は最初スタンダードを意識したもの!って思ってましたが、結局は商品展開のためだったといいうのもなんとなく理解出来ました。
遊戯王は今後『難しいカードゲーム』という知育的立場にある商品という結果になると思います。というか最初から対象年齢が高かったゲームなのでそうなるんだろうなとは思うイメージがありましたけどこれが数年続くとは思えないんですよ」
子どもの発育段階において与えるに相応しいとされる玩具の年齢別、種類別対応表
http://www.toys.or.jp/st/pdf/st_kodomo_hatsuiku_nenrei_toy.pdf
「ただ、遊戯王は最終的に簡単に殴りあうゲームがいいんだー!と言ったデュエルリンクスですらそのインフレの片鱗が見えているというのは言うまでもない事実ですね。
ただ遊戯王を語る上で重要なのはマナレシオ的立ち位置(コストパフォーマンス)という部分がどれだけインフレしても禁止すれば問題なく、尚且つそのマナレシオ的に引っかからない存在として『手札誘発』というギミックをすんなり投入する事が出来るようになったのは言うまでもない事実なんですの」
「そこなんですよねぇ。スタンダードって正直遊戯王で決め切れない存在だと思うんですよ。老舗であればあるほど。なぜってそれはこれから色々と書いていこうかなと思います」
スタンダード環境を考える前に。スタン環境ってTCGではものすごい英断とタイミングがいるものです。
「まずはスタンダードに関してなんですけどやっぱり池っち店長のお話が話題になってますが、正直なところ確かにカードゲームの最終的に行き着く先は『スタン』か『インフレ』のどちらかになるのです。
大前提で書かれていた『TCGに関しては売れるのが正義』というのも納得ですし、カードゲームとしての存在は常に売れるものを展開する事が非常に大事ですからね」
「確かに商売的に成功するには売れるというのは必須ですわよね。昔起きていた数々のカードゲームの爆死がそれを証明していますの」
「まぁ、結局強いカードを刷れば売れるんですが実はここにも2つの問題があります。『資本格差』と『難易度上昇』です」
まずスタンダードを導入するってお話なんですが、なぜスタンが導入されたかご存知の方はいますでしょうか。TCGの基礎を作ったMTGWIKIでは、資産差がつくからって書かれてます。
新規のプレイヤーと初期からのプレイヤーでカード資産の差がついてしまう問題を解決するため、「新しめのセット限定」として考え出されたのがスタンダードである。
じゃあ実際遊戯王にスタンダードを考慮して考える際、そのカード資産差がついているのかって考えないといけません。ただし遊戯王は同じレールの上で語ってはいけない気もします。
まず、遊戯王は箱の封入率の問題として『カード単価が高くなりづらい』傾向にありまして、《灰流うらら》等のカードは高額ではありますが他のカードゲームをプレイしている人からすると『1枚3000円程度を3枚揃える』というのは皮肉ですがそう資産ゲーという感じはしませんでした」
「遊戯王はそういう意味では高額カードの吐き出しが上手いんですわよね。
ショップとしては打撃が強く、デュエルマスターズのゴールデンリストは無いですけど急激に上がったカードの再録と禁止は行いますし、カード単価も高くなっても3000程度で止まっているのは大きいですの。またカードゲームとしてのバランスが非常に整っているのと『手札誘発などこれ買えば良い』ってカードが決まっている分遊びやすいカードゲームというは変わらないですわよね」
「あ、突っ込まれる前に言いますけどシークレットとかのレアリティに関しては無しですよ?」
中古遊戯王/シークレットレア/マキシマム・クライシスMACR-JP036 [シク] : 灰流うらら
「という点もありますし正直なところスタンを導入するほどなのか?とは思いました。
ただし、ヴァンガードの様に毎回カードの価格が非常に高くなっているものを見ている人になら分かると思いますが、毎回カード価格が高すぎてってならない限り問題は無いように・・・見えながらまさかの遊戯王のレアコレでそういった事案が起きています。
『箱でも出にくいものを多くして箱で買わせることを目的としたもの』が増えているのが現実。《竜騎士ブラック・マジシャン》や《キメラテック・メガフリート・ドラゴン》など、そういったカードが増えてくればっていう不安はありそうですね」
「そしてこういったカードが多く刷られると遊戯王では露骨に転売目的での買占めが行われますの。
公式では売り上げが取れるので問題ないと思っていますが、こういった露骨に行われている現状を見ていると怖いなぁとは思いますわね」
「まぁAKBのチケットみたいな売り方もしてますからね。ただ遊戯王ではスタンダードを行うタイミングはまだ先だと思います。
もし起こるとすれば遊戯王の環境デッキの価格が6万を超えだす時に考えたいですね」
「因みに1回それが起きているんですわよね」
「そうそう。青眼の時に起きていますね。映画配布って事で、こういう高額案件は多数出ています」
「ただ、コレに合わせて遊戯王では他のカードゲームの様に高等化しない理由として『禁止・制限を多くしてる』って部分もありますけどね。
遊戯王の場合なぜか禁止制限が多くても大体は許されることが多く『そういうカードゲームなんだな』って私も思ってました。モンキーとかも含めて禁止になるカードの大半が『意図的にレアリティを下げる』という行為をしているので、確信犯だと思うんですけどねー」
「まぁ実際スタン環境を入れて尚且つ『新しいブロック構築』を建設したとしても二種類の膨大な禁止制限を丸暗記するって自体に成りかねませんの」
遊戯王は小さなスタンダートを定期的に投入し、インフレをしてるように思わせてインフレをさせてないってのがいつもの手段。特にそれは昨今の遊戯王を遊んでいて調べてみると分かる『環境の定期的な商売要素』でもあったりします。環境トップや世界大会の優勝予想に関しても既に答えがあるように、『遊戯王は定期的に1年の小さなスタンダードルール』を計画して作り上げているのが現状。
「ただ一番危ないのは『難易度上昇』という部分で、『リンクは考える兵器』ということ。
昨今は鈍化をする一方で過去のカテゴリーが勢力を伸ばしています。
1強にせずにどこまで調整が出来るのか・・・難しいカードゲームには『難しい事を考えて予測できるテストプレーヤー』の存在が必要です。遊戯王にそれが出来るのかというのが最大の焦点でしたが、誘発で初動を抑える形にシフトした事や最終的に誘発のステータスを下げる事で『意図的に1枚で動けるカードが強い』デッキを理想としてカードを刷っているのでもっとテストプレーヤーを増やすかしたほうがいいんじゃないかなってのが個人的意見ですね」
「リンクが最大の問題点だったんですわよね。
だって、難しいカードゲームですから。古参であればあるほどフィルターはかけられますが、売る立場は結果が出なかったで締めくくる人が多いですの」
「実際カードショップは衰退したとかのお話は聞きますが、wikiにもあるように、競技系TCGはカードゲームの中では顧客が獲得しづらいのが現状です。遊戯王は以前競技性のあるものを主体にしていくという動きを聞いた事がありましたが、この事実がある中で競技性だけに突っ込むのは無謀だと思うんですよ。
幸いな事に遊戯王にはキャラクターという強みがあったとしても、競技的なOCGは子供向けとはちょっと離れますし『万人受け』はしません。
簡単すぎてつまらないってのが無いのがカードゲームの特徴なのでそれを活かさないでどうする!とは思うんですけどね」
一方、キャラクターTCGとは異なる存在として、思考力や技術を競うことを重視して作られたタイトル(競技系TCG)も存在していたが、これらは近年、衰退傾向にある。競技系TCGとして人気が高かった『マジック:ザ・ギャザリング』は2008年以降賞金制度を縮小した。国内でも近年、競技系TCGと考えられる新しいタイトルは発売されなくなり、競技系TCGとして有名だった『ディメンション・ゼロ』も2009年を最後に賞金制度を廃止した。競技系TCGはキャラクターTCGと比べ新しい顧客が獲得しづらいという特徴があり、それが衰退の一因と考えられている[5]。
ここ近年のTCGでは競技性を廃し新規が勝てるように配慮したゲームバランスが主となっている。『マジック:ザ・ギャザリング』では勝負にこだわらない「カジュアルプレイ」を推奨したり、『デュエル・マスターズ』が豊富な再録でデッキを組めるようになっていたり、『遊戯王OCG』の場合、新商品に環境に大幅な影響を与えるカードを多数収録しそれらを緩和させたりするなど企業によって様々な救済措置がとられている。
ただし、優勝賞金を副賞と共に付与する形での振興策をキャラクター系のTCGである『バトルスピリッツ』が2017年度に採用した事がある。
遊戯王の手段はもう既に効果リメイクのスタンダード以外道は無い。
「そして遊戯王には最初から全てやり直してリメイクという手段が取れません。なぜなら『復帰勢に向けての商法を繰り返している』からです。
今回の秘蔵レアの一件やvol1の再録事情などもあるので公式としてもスタンダードで切る場合、初代をリスペクトしたものを行うんじゃないかなって思ってます。だからこそヴァンガードと同じように初代の意識した商品展開を行うしかないとは思いました。
正直これに関しては結構賛成で最近どこのカードゲームも同じような事を行っているんですよね。
ヴァンガードでは新しくスタンダードを導入した上で『過去のカードテーマや名称を参考にした商品』が登場します。
最初は過去に依存したものかな?と思いきや、新システムを導入し過去のカードを感じさせない新鮮なシステムとして登場。また漫画版を軸としているということは『何が強化されるのか』っていう予測も立てやすいのが特徴です」
予約トレカ【ボックス】カードファイト!!ヴァンガード ブースターパック第1弾 結成!チームQ4 [VG-V-BT01]
「漫画版の付録だったカードはいつの間にか!っていう期待や新システムで強くなるというのは大きい所。名称を同じくしてリメイクをしていくというのはかなり嬉しいですよ。
「逆にスタンを取り入れなくても、過去のカードの資産差が気になるというのであれば『名前だけ借りる』という手やリメイクという手段がのこさえていますの。
こういう様に分かりやすいマークと共に効果を付与するって形も取れますわよ」
「ただ正直なところ言わせて欲しいのは遊戯王は本当に過去のカードは過去のカードのままで終わらせてない数少ないゲームシステムを作ってるカードゲームとも言えるでしょう。
資産差が出るといいつつも再録を豪華に出来るのは遊戯王の特権でそこまで資産差が出ないし、強いカードを刷ればそのままどんなデッキでも大会環境を支配できることを証明していくれているカードゲームだと思います。
しかもシンプルイズベストという流れではバンダイ版からの移行で行い既に成功もしている。
だからこそ無駄にスタンダードを取り入れなくてもって感じはします。ただし、新しい環境を求めるという部分であれば公式の遊戯王の日とかで行われる制限デュエルなんかもありますけど10期限定でって話はちょっと面白いかなと思いました。
というのも、10期や様々な点で縛っておくと再録の面も含めて『資産差が生まれにくい』ためです。手札誘発がその例で、10期でもしスタン構築を要求されたとしても『手札誘発』を採用出来ますし、もしかしたら水面下では…なんて期待も持てますよね。